乳がん治療と乳房再建、そしてこの病気からどんなギフトを得るのか?自分の体験を通して、病気とは人にとって何なのかを観察記録していきます。


by holyqueen
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ゆったりと昼ごはん。

師走ですね。

毎年のことながら、
この季節は世間のスピードがさらに加速されているようで
なんとなく心地が悪い。

病を得てから
仕事のしかた、時間の過ごし方
が変わった。

以前はどこかでスピード感、
ぶっちぎり感を楽しみつつ
ココロの中では焦りまくり、
という日々がデフォルトだった(と今は思う)。
そしてその時期は
買物やら飲み会など、
何かを「消費」する機会が多かった。
「消費」することで
ストレス解消をしていたということが
今はよくわかる。


焦りがいつもあったということを
客観的に観察できるようになってからは
その居心地の悪さを
もう手放したい、と思うことが増えた。

私の周りには
仕事をしている友人が圧倒的に多いが
仕事の進め方や強気の姿勢、プライドへのこだわりなどに
違和感を感じることがふえた。
昔の自分を映す鏡のように感じることもある。

すべてではないが、
自分の在り方や感じ方が変わったんだな、と思う。

時々不安になると、
今のままでいいのかなと思うこともあるが
仕事をするしないにかかわらず。
以前のやり方に戻りたくはない、ということははっきりしている。

忙しいことは「ココロを亡くす」と書く、という。
「忙殺」というコトバもある。
余裕のない状態が続くと周りが見えなくなる。
何より、自分自身が見えなくなる。

病により、
足許ばかりを見るような生活になったけれど、
回復の経過とともに
視線を前に向ける気持がふえてきて
今の自分にはこんなバランスがよいのだろう。
一時期よりは視野も広がりつつある。


11月の天気のいい日、
友人と上野に「チベット展」を見に行く。

友人は休職中で、
今は自分のやりたいことをして過ごしている。
以前、野戦病院のような熾烈な職場を共にしていたこともあり
私にとっては「戦友」のひとりである。

彼女が教えてくれた上野公園の中の和食屋さんで
ゆっくりと昼ごはん。

c0154672_140949.jpg

c0154672_1404143.jpg


ちょっとピンぼけですが。

ちまちまと沢山の種類のきれいな料理が入ったお弁当は、
本当にシアワセで贅沢な気分になる。
年々、日本人で良かった、と思うようになったのはトシのせいでしょうか…


このご飯には煎り大豆が炊き込まれていて、
噛むと香ばしい香りが口一杯に広がって
それはそれはおいしゅうございました。
赤出しとの相性もばっちり。
赤出し、うちでは作らないが
たまにいただくと本当においしいなあと思う。



食事の後、日当りのいいテラスで
猫のようにひなたぼっこをしながら
あのころ私たちは何と闘っていたんだろうね、と話す。

目の前にいたのは
病を抱えた人々だったけれど、
その後ろや場の中にいる魑魅魍魎のようなものと
闘っていたんだよ、と友人が言う。


本当にその通りと思った。
自己保身など到底できないくらい
必死な毎日で、
癒しとかなんとか、きれいごとは通用しないし
患者さんも私たちスタッフも
命をかけてそこにいた、日々だった。

…ひなたぼっこしながら
あの時間を通り過ぎて
こんな話ができるようになったんだなあ、と思う。

飾りも変な気遣いもいらない
ゆったりする時間を共有できて
とても幸せな午後だった。

「チベット展」の仏様たちも
なんだか人間くさいお顔だったり、
気に食わないと大暴れしてしまうお方がいたり(笑)
とてもとてもゴージャスでエロティックな美人がいたり、
バラエティ豊かでした。
仏像マニアよ、ぜひご覧あれ。

仏様の世界ですらコレだし(笑)
大変なときも幸せなときも
両方あるからまた面白いのだな。

今は、
何がいいことで、何が悪いことなのかも
白黒つけるように
はっきりと分けられないと感じることがふえた。

がんになったことはつらい体験だったけれど、
それがもたらしてくれたことも大きいので、
何が不幸で不運とかということも言い切れないよな、
と今は思っている。

あのまま、
スピード感たっぷりでぶっちぎって生きて行かれたとしても
いろいろなことを置き去りにしていたと思うから。

でも、意識的な選択を超えることも含め
自分の道はよりよき方に動いている、
ということだけは
楽天的に確信している。
今も、これからも。


☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
がんのこと、がん治療のこと、
そしてあらゆる病気から得られるギフトについて
もっと多くの方に知ってほしい!ので
ぽちっと押して下さるとさいわいです♪



にほんブログ村 病気ブログ がん・腫瘍へ
[PR]
by holyqueen | 2009-12-04 14:48 | がん以後の変化