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乳がん治療と乳房再建、そしてこの病気からどんなギフトを得るのか?自分の体験を通して、病気とは人にとって何なのかを観察記録していきます。


by holyqueen
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それでも歌えるということ


クリスチャンではないけれど、
昔からゴスペルに興味があって、
今はクワイアに所属して歌っている。

07年の5月には
120人のマス・クワイアで歌うという大きな舞台があって、
1年前から練習をしてきた。

その間に父ががんであることがわかり、
一人では生活できない母の介護をし、
独立したばかりの自分の仕事を必死に回してきた。
人の健康をサポートする仕事であるのに、
自分はと言えば
毎日、体調も精神状態もぎりぎりのところだった。
それでも歌うことが私にとって
自分自身でいられる時間であり
「救い」のようなものだった。

歌を通して「大いなる存在」とのつながりを感じ、
無心になれる時間。
それは自我ではなくSELFそのものの時間。

けれど、告知の前後、
さすがに揺れることが多くなった。
車の中で曲を聴いていても
突然涙があふれてくる。
それも声が出そうなくらい、激しい感情とともにあふれてくる。

ゴスペルの練習のときも突然の涙の発作はあった。
もともとゴスペルは黒人霊歌と言われており、
アメリカでの不当な強制労働の苦しみや
生きていく辛さを歌っているものも多く、
共感できて当然なのだが…

とりわけ「More Than I Can Bear」という曲は
(神は私に乗り越えられる試練を与え給う)
メロディーや演奏もアメリカ南部のブルースのルーツを彷彿とさせるもので
この曲の練習中には何度も涙がわいてきた。
歌詞そのものが今の自分とおんなじ気持ち、ということだったわけだから。

さて、涙には「浄化」の意味があるが
「浄化」のための涙は
強い情動を伴わなくてもするっと出てくるのが特徴的。
そんな涙が、舞台で歌っている最中に出てきた。
練習中の涙はいずれも情動を伴ったものだったので、
これにはちょっとビックリした。

けれど、舞台を終えてから
明らかに自分の歌が変わったように思う。
何がどうとは言えないけれど…

仕事上のトラブルで精神的に疲れ果てていたし
仕事のことも病気のことも不安でいっぱい…
そういう時期に歌えたことに大きな意味を感じています。

感謝、感謝、感謝以外の何ものでもないなあ…


☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
乳がんのこと、治療のことをもっと多くの方に知ってほしい!ので
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by holyqueen | 2007-11-29 19:02 | ゴスペル