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乳がん治療と乳房再建、そしてこの病気からどんなギフトを得るのか?自分の体験を通して、病気とは人にとって何なのかを観察記録していきます。


by holyqueen
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この国の行方。

昨日、仕事から帰って久しぶりに熱発。
ぼんやりした状態でテレビを見ていたら
目を奪われた番組があった。

NHKスペシャル「映像詩 里山 森と命 響き合う自然」
というタイトルで、シリーズ3弾目だそう。

以下一部引用。
『今回は森がテーマ。滋賀県北部にはクヌギ、コナラだけでも
2万本と言われる広大な森があり、何百年に渡って人々が利用してきた。
かつては薪を採り炭を作っていた森では、現在はシイタケが栽培されている。

はるか悠久の時を超えて森が存続してきた背景には、
ある秘密=知恵が隠されている。伐採の際、人々は必ず切り株を残しておく。
すると、そこから“ひこばえ”と呼ばれる若い芽が勢いよく萌え出し、
20年ほどで再び利用できるようになる。繰り返し伐採されたクヌギは、
根元が大きく変形し、地元で“やまおやじ”と呼ばれる、
大きなウロの開いた独特な姿となる』

この森には熊やミツバチ、ヒキガエル、カブトムシなど
さまざまな生き物が連綿と命をつないでいる。
そしてそれらのものと人間がお互いに連鎖しながら
共存しているのだ。

まずはその映像美、カメラワークのテクニック、
そして定点カメラによる長い期間をかけての森の推移などの
表現に目を奪われた。

けれど、見終わっていちばん感じたことは
「これが人間が本来あるべき姿なんだな」ということ。
森に暮らす人々は
森からのたくさんの恵みをいただいているが、
奪うだけでなく、返すべきものをきちんと返しつつ
森とともに生きている。
そこに一方的な「消費」は存在しないし、
人間にとっての便利さだけの追求もない。

シイタケの栽培のために伐採されたクヌギの薪は、
森に返され朽ちていく。
そこにカブトムシの幼虫が育ち、
イノシシがやってくる。
などなど、
すべてが循環しているのだ。

「これが真っ当な暮らしってもんだよね」と思わず呟くと
ツレが大笑いして
「20年前はそんな台詞は出なかっただろうな」と言う。
…いや、その通りですが。

けれど、
「便利」なことが人間をダメにしてきていることも
肌で感じている。

食肉偽装から始まり、
輸入食品の毒物混入と、
今や安全で安心な食品は
生産者から直接購入するか
自分で作る以外ないな、と感じる人も多いだろう。

今日、晴れて(笑)自民党総裁となった麻生氏は
「日本はまだまだ不景気だ」とおっしゃっておられたが
今後の方針は「景気回復」ということになるのだろうか。

2002年のデータでは
日本の食料自給率はわずか40%。

フランス 130%
アメリカ  120%
ドイツ    90%
イギリス  71%
韓国      50%

先進国と言われている中では、
最低レベルであり、
おそらく今でもそうなのだろう。

また,
2004年のデータでは
農産物輸入総額が396億ドル。

こちらもそう変わりはないだろう。
また、ころころと入れ替わってきた
総裁の方々のマニフェストを聞いても、
食料問題に関する政策が出ていたのか?
残念ながら、自分には記憶はないが…

食べることは生きることに直結している。
災害や戦争で日本の中枢のインフラが分断されれば
食料が不足することは目に見えている。

毎日普通に食べている豆腐も、
原料の大豆はほとんど輸入に頼っている。

父母は戦時世代であったし、
食糧難というものが
如何に人の心をすさませるものかも
想像に難くない。

仕事のニーズがあるから都会で暮らしているものの、
やはり都会暮らしの限界を感じてしまう。

そしてこの日本の閉塞感にも。

今の自分の仕事の中で、
できることをしていくしかないのだが…


☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
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by holyqueen | 2008-09-22 21:03