乳がん治療と乳房再建、そしてこの病気からどんなギフトを得るのか?自分の体験を通して、病気とは人にとって何なのかを観察記録していきます。


by holyqueen
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

カテゴリ:術後の心身の変化( 11 )

術後丸3年経過。

3年前の一昨日、
右乳房の全摘と同時再建をした。

3年前の今頃は、
筋膜剥離の耐えがたい痛みと
絶対安静臥床で体位変換もできず、
おまけに水を飲むことも禁じられていて
本当に苦しかったことを思い出す。


なんだか、とても遠い昔のようにも思える。
それだけ今の自分が回復して来たからなのだと思う。

昨年11月で、
2年続けたゾラデックスも終わり
(5年服用と言われたノルバテックスはあまりの辛さに中断。
もちろん主治医の了解をとってのことですが)
1年は残るよ、と言われたホルモン療法の副作用も
あまり感じなくなってきたかな…?

今年は春に引っ越しをして、
疲れも片付けもあったのだが
圧倒的に家で過す時間が増えた。

外の緑を眺め、
鳥のさえずりや木々のざわめきを聞いているだけで
何もしないでいても満たされた。

というより、
本当に満たされるというのは
何かをしているからではないんだなあ。
何もしていないことで満たされるという日々を
初めて(継続的に)体感した。

こんなに何もしていなくていいのか?
という不安や焦りももちろんあるにはあったが、
それすらもどこかに行ってしまうほどの
からっぽでいて、満たされた時間。

そんなことは生まれて初めてだった。

夏も暑すぎてアタマが働かない方が多かったけれど、
春の時間とはまったく違うものだった。

父の末期がんの看取り、実家の解体と売却、
そして自分のがんと、
この4年は
精神的にも身体的にも
大きな変化と負担が続けざまにあったので、
こんなふうに空っぽの時間があってもいいのだ、
とどこかで思ってもいた。

術後の1〜2年は
仕事をしつつも
体力、気力、再発や将来の不安などが
いちばん大きい時期なのでは?と思う。

特に心身の不調はいわれのない不安を呼ぶ。

周りを見渡せば後れを取ってしまった、という思いもよぎる。

けれど、それもありつつの自分を養う時間、という感じがする。
いいことばかりではなくて。


術後の方がいろいろな意味でつらく、
心身も過敏になっていたなあ。

あらためて、
この辛さを引き受けてくれ、
生き延びてくれた身体に感謝。

これからも
いじいじしたり
悩んだり
たくさんしていくけれど(笑)
それでも、
旅立つときまで
しっかりと自分の人生を生き切りたい。

今後の目標のひとつは、
死の前に如何に死を受け入れるか、
ということです。


死は卒業のようなもので、
すべての終わりではないと思っているから。


☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
がんのこと、がん治療のこと、
そしてあらゆる病気から得られるギフトについて
もっと多くの方に知ってほしい!ので
ぽちっと押して下さるとさいわいです♪



にほんブログ村 病気ブログ がん・腫瘍へ
[PR]
by holyqueen | 2010-10-24 01:34 | 術後の心身の変化

右胸全摘後2年の経過

今年の10月21日で、
右胸全摘から丸2年経過した。

もうとても昔のような気もするし、
まだ2年かあ、という気もする。

先週、大腸がん摘出からの
6ヶ月検診も受けたところで
(結果は来週だけれど、大きな病変はない様子…ほっ…)

でもまだまだ安心しきっててもいけないのよね、
とあらためて思う次第です。

以下、ざっと経過を。


<初年度〜1年後>

・術後の冬は冷えに敏感になった。
・運動指導の仕事にも3週間ほどで復帰したが、
・右腕の可動域が狭くなったこと、
・エキスパンダーを挿入していたせいもあり、
 動かすときに引き攣れや痛みを伴った。
(運動を続けるうちにかなり改善)
・ホルモン療法を始めて1週間ほどで抑うつ状態出現。
(主治医曰く、出現が早かったとのこと。
 もちろんそれが出ない方もあるかと思います)
・同じく副作用による「記銘力の低下」が著しい。頭重感も。
(これは9ヶ月ほど顕著に続きました。)
・ホルモン治療の副作用としてよく挙げられる
 「ホットフラッシュ」はほとんどなし。
 (おそらく呼吸法のおかげが大きいと思う。
 実際、病院で更年期世代の方に指導したところ、
 やっている間はホットフラッシュが止まった、という方がいた。
 もちろん個人差はあると思うが、
 深い呼吸は自律神経の安定に効果があるので
 お悩みの方は試してみるといいかと思います)
・同じく副作用として顕著な体重増加もなし。

※この1年は日々、心身の変化にとても敏感になる。
 初めての事態でもあり、自分への注意深い観察を続けようと決めたこともあり。
 以前のように何かしようとするととても疲れてしまったり、
 無理しても疲れや意欲低下がひどくなることを実感。
 とはいえ、最初のオペから半年後、2次再建の2ヶ月ほどあとには
 3週間NY一人旅をしていました。
 帰国後の翌月、3次再建。
 体力が回復してくるプロセスを、じわじわと実感。
 同時に、精神的にもテンションが上がることもあったが
 一時的でもあった(やはり今思うと本当には回復していなかった)
 心身の状態にはかなり波があった。
 仕事にはほとんど支障を感じなかった。


<1年後〜2年後>

・自分の状態からがんにまつわる様々な情報、報道に意識が向くことがふえる。
・初年度の方が今後の経過に不安があったため精神的に緊張していた。
 今年は緊張が緩み、荷下ろし後の意欲低下、のような気持にもなった。
・ゾラデックス注射後の頭痛はあるときもないときも。
 だが、回を重ねるうちにあったとしても持続時間が短くなる。
・前年より冷えを感じなくなった。漢方薬投与のおかげもあると思う。
 が、身体の冷えに左右差が出てきたことも感じている。
 やはり患側のほうに冷えがあり、それによってか
 足がつったりすることがふえた。
・頭重感、ほぼ感じることなくなる。
・大分体調が良くなった!と喜んでいるところに
 大腸がんみつかる。3〜6月はそちらの検査、手術、心配でいっぱい。
・野菜中心の生活に意識的にシフトする(乳製品、四つ足は食べない)
 にんじんジュース始める。
・大腸がん摘出後からは
 心身ともに「あきらかに回復した」と感じることが顕著。


※にんじんは基本的に有機のものを使用。
これと同時に、ほぼ毎日生のたまねぎ入りのサラダを食べているが
低かった血圧(だいたい90/60くらいだった)が
120/80くらいと、健康的な数値に改善されました。
にんじんのおかげか、たまねぎのおかげかは分からないけれど、
どちらもいつもおいしい!と思えるものなので
これからも続けていけるな、という感じです。
(ジュースは本当にオススメです。
買うよりも作る方が断然甘くおいしくフレッシュ♪♪)



…以上が全摘後2年のざっとした流れであります。


年齢(現在48歳)もそうだけれど
元々の体力や性質も大いに関係するところでしょう。

以前にも書いたけれど
身体にメスを入れること、
薬剤を継続的に投与されることは
心身の状態に大きな影響を及ぼすし、
その影響を侮ってはいけない、とつくづく感じた日々でした。

ただ、
今でも「患者」ではあるけれど、
いつまでも「病人」ではない。

こういう線引きがどの時期からできるかというのは
個人差があると思う。
そしてそこで焦ってもいけないんだよね、ということも。

とにかく身体の声を注意深く聴き、
(ボディワークをするとよくわかります)
身体とココロにに沿って行く、という方針を
私はとったけれど
どのように病を経過して行くのかも人それぞれでしょう。

でも自分を大切にする機会をもらったなあ、ということを
つくづく感じる。

病気以前のような仕事のしかた、
時間の使い方、
生活の在り方に戻りたいとは思わない。
病から得たことも、ほんとうに沢山ある。

まだまだ落ち込むことも
この2年、停滞していたのではないかと不安になることもあるけれど
先を見てよりよい方向に変化して行きたいな、
と思う今夜でありました。




みなさまも御身大切にされますよう!


☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
がんのこと、がん治療のこと、
そしてあらゆる病気から得られるギフトについて
もっと多くの方に知ってほしい!ので
ぽちっと押して下さるとさいわいです♪



にほんブログ村 病気ブログ がん・腫瘍へ
[PR]
by holyqueen | 2009-11-07 23:20 | 術後の心身の変化

冷えの左右差。

本日は関東も朝から雪、
そして氷雨へと変わった。

この冬は暖かい日が続いていたので
いきなり5度以上気温が変化すると
身体がビックリする。
そして気圧も低いので
活動性が下がる。

時々、自分でも
まるで冬眠をする動物のようだなと
思うのだが…

2次再建で昨年3月にインプラントを入れてから
10ヶ月。

冬だとよくわかるのだが、
やはりインプラントを入れた右胸は
触るとしびれ感があり、
寒さを感じていると温度も違う。

一昨日、
足の裏をマッサージしていたら
右足の方が冷えていることに気づいた。

冬になってからは
右だけに腰痛もある。

冷えがいかに恐るべきものかは
昨年の冬からは実感。

術後これだけの時間が過ぎていても
斯様に
まだ左右で差があるのだなあ、
とあらためて気づきました。

カラダはとても賢いので
大きな変化にも
適応してくれるけれど、
それをアタリマエに思うことなく
感謝しつつ
大事にしないと…。

ミナサマもくれぐれも
冷えませぬように。

☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
がんのこと、がん治療のこと、
そしてあらゆる病気から得られるギフトについて
もっと多くの方に知ってほしい!ので
ぽちっと押して下さるとさいわいです♪



にほんブログ村 病気ブログ がん・腫瘍へ
[PR]
by holyqueen | 2009-01-09 23:28 | 術後の心身の変化

二度目の冬をゆく。

病院へ行く道すがらのいつもの光景。

桜の木はすっかり葉を落とし、
今まで目につかなかった銀杏の木が
黄色い葉を際立たせている。

空気の冷たさで季節の移ろいを感じる。

昨年の冬は
抑うつの嵐に呑みこまれて
それまでやってきた自分の仕事への肯定感がなくなったり
生きている意味が分からなくなったり、
かなり混乱していた。

2度目の冬はやはり違います。

主治医の診察の後、
漢方処方をしてくれるDr.の診察。

調子はどうかと聞かれ、
大分元気になりましたと答えると
「どうやって元気になったの?」と
ツッコミを入れてくれました。

病気になってから
自分の感情や感覚を観察していくときめたこと、
それはとても辛いことでもあるが
合理化はしなかったこと、
書くことで客観化できたり
怒りや悲しみ、やるせない気持の解消に役立ったことなどを話し、
かいつまんで
死と再生の体験のこと、
そして死ぬ前の苦痛は怖いけれど
死ぬこと自体は怖くなくなった、と話す。

自分もDr.に話すとは思っていなかったのですが。

彼女は興味深げ&肯定的にその話を聞いてくれ、
臨死体験の話をいくつかしてくれた。

おお、私のツボではないですか!
私の体験と同じく、
宇宙を飛んでいた、という方もいたとか。


そして
カルテで経過を見ながら
「今までは患者さん然としてたけどね。
ずいぶん変わったのね。
こんなふうに変化する人は珍しいと思う。
ここまでは普通あんまりできないわね。
悟りを開いたみたいな感じなのかな」
と言われた。

悟りとは畏れ多い…
「修行好きなものですから」
と答えたけれど、
起きたことすべてを、
そのプロセスをじっくりと味わう。
ただそれだけのことだったのだ。
辛くはあったが。

Dr.はさらに
患者さんの話を聞くことで
医者が学ばせてもらっているのよ、とおっしゃる。

Dr.とのつきあい方は
その性格にもより
いろいろと作戦を立てなければいけない場合もあるが(笑)
やはりコミュニケーションをきちんととれると
安心感が増すし、気持がいい。
まずは自分の状態をわかりやすく伝えることが大事だと思います。

…こういうDr.ばかりなら
どんなにいいことか…


しかし、1年前の自分とは
本当に違う。
うつ病に限りなく近い状態であったので。

この先どうなるかは分からないが、
それでも
日々のプロセスを
これからも
大切にしていこう、と
改めて感じる。


☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
乳がんのこと、治療のことをもっと多くの方に知ってほしい!ので
ぽちっと押してね♪



にほんブログ村 病気ブログ がん・腫瘍へ
[PR]
by holyqueen | 2008-12-10 20:07 | 術後の心身の変化

自分の「再編集」中。

がんになって、
自分の中の何かが変わった、
と感じている人はどのくらいいるのかしら。
考え方や、感じ方、反応の仕方、
対人関係など。

いたらぜひ手を挙げて下さい。(笑)

私はそれをありありと感じていて、
そういう自分をどう扱ったらいいのか
しばらく思い悩んでいたのですが。

気がついたらこのところ、
乾いた土が
ぐんぐんと水を吸い込むように
むさぼるように本を読んでいる。
タイプの違ったものを
次々と読んでいる。

そして、その度に
今の自分に必要なものを
見つけている気がする。

ここ何年も、
(病気までは)忙しさから
(告知後は)頭のまとまりがつかず
本を読むだけの集中力と
それを咀嚼するチカラが
めちゃめちゃに落ちていた。

今は時間と気持の余裕もできた。
そして何より
病気後の自分の何かがあきらかに変わったことで
世界の見え方、
世界との関わり方が変化したこともあり、
さまざまな人たちの
さまざまな世界観を知りたい、
それを手がかりに
自分の変化に
きちんとオトシドコロをつけたい、
という気持がある。

変化するのはいやではない。
けれど、
変化になじむのには時間がかかる。

けれど、いろいろな世界観や
たくさんの体験談を読むたびに
自分の中に生まれた
新しいいろいろな断片に
まとまりがついてくる感じがある。
シナプスがつながってくる感じ、とでもいおうか。


がんという病を与えられて
自分自身が「再編集」されていくのを感じている。


読書日記をここにも書きたいのだが、
読むスピードになかなか追いついていかない。

一昨日は小宮ベーカー純子の「五次元思考 実践ガイド」
昨日は伊坂幸太郎の「魔王」
本日は「脳の中の身体  認知運動療法の挑戦」を読了。
どれも面白かった。

自分に必要なことが感じられてくると
必要なモノが引き寄せられる、
と感じているこのごろです。


☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
乳がんのこと、治療のことをもっと多くの方に知ってほしい!ので
ぽちっと押してね♪



にほんブログ村 病気ブログ がん・腫瘍へ
[PR]
by holyqueen | 2008-10-25 09:12 | 術後の心身の変化

微熱が続く。

このところ考えることが多く、
そんなときには頭に熱がこもる感じがあり
知恵熱とはよく言ったものだなあ、と思っていたけれど。

やっとつまらないマインドから抜け出せた、と
本日はほっとしながらあれこれ家事などしていたが
やはり夜にはまた熱発…。
昨日は久しぶりに眠剤なしで
長時間眠れたのに
これは熱のせいだったのかしら。

振返ると9/22に熱発してから、
記録は飛び飛びだけれど
おそらくほぼ毎日?続いている。
吐き気もたびたびあった。
(記録って大事ですね。
書いていなければすぐに忘れてしまう自分…)
3月のオペ後に
一晩だけ高熱を出してから
(術後にはありがち)
とんと熱発には縁がなかったのに。

明日は診察なので
主治医に話してみるつもりだけれど、
がん前ならあまり気にしなかったであろう
こんなことも、
やっぱり気になるです。

明日、何時間待ちか…!?

☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
乳がんのこと、治療のことをもっと多くの方に知ってほしい!ので
ぽちっと押してね♪



にほんブログ村 病気ブログ がん・腫瘍へ
[PR]
by holyqueen | 2008-10-13 20:11 | 術後の心身の変化

ちょっとした痛み…?

このところの毎日のスコールのような雨。
落雷。
気圧の上下。
湿度の高さ。
カラダにもココロにも
影響大、ですね。

人は思っているよりも気象の影響を受けている。
ドイツでは、天気予報の中で毎日の気圧も報道している、
と聞いたことがある。
日照時間の少ない国では鬱病も多い、とも言われていますね。

気圧が安定しないとき、
体調や精神状態が不安定になることが多い、と気づいたのは
臨床で仕事を始めてから。
時間帯や曜日など、一定の条件の中でセッションをしていると
どういうときに調子の悪い方が多いか、
温度、湿度、気圧、天候の変化にも注意を向けるようになり
何となく統計的に見えてきたのだった。

そして先週からこの方のこの天気、
体調を整えるのもむずかしいし、
なんだかまわりも精神的にざわついているな、
という感じを受けることが多かった。
街中ではイライラしている人も多いかもしれない。
そして、そういうざわつきや
落ち着かない感じ、イライラ感は
知らぬ間に伝染するものだったりします。

そんなことも感じつつ過ごしていたこの2〜3日、
再建したインプラント入りの胸の上部が
ときどき鈍く痛む。

この天候のせいで
筋肉が収縮して
ひきつれているのか…?
それとも、このところあった
ちょっとしたストレスのせいか…?

一般的には乳がんは痛みを感じない、とされているが
いろいろな方の書いたものを読むと
明らかに痛みがあった、という方もいたり。

ちょっと気になるけれど
この際なので、天候。気分と引き攣れ感についても
観察していこうと思う。

まあこんな日々は
調子悪くてアタリマエ、ですね。


☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
乳がんのこと、治療のことをもっと多くの方に知ってほしい!ので
ぽちっと押してね♪



にほんブログ村 病気ブログ がん・腫瘍へ
[PR]
by holyqueen | 2008-08-31 21:43 | 術後の心身の変化

帰国後の日常

先週、NYより無事帰国。

あちらにいる間も仕事mailのやりとりなどがあり、
一日パソコンに向かっている日もあった。

街を歩いているときにも
そのときの自分が非日常にいる、とは感じられなかった。
NYにいるのも自分の日常の延長、という意識が
なぜだかずっとあった。
あれもこれも体験してみよう、という欲も
あれもこれも買いたい、食べたい、という欲も
思ったより少なかったのに自分でもビックリ。
やはり自分の中の何かが変わっているんだな、と思った。

もちろん、それでも
街を歩いているだけで心地よく楽だった。
(楽しいことばかりではなかったし、寒かった時を除いてだけど)
同時に、
何度も何度も今自分がここにいるのは奇跡だ、
と思え、そのたびに涙が出た。
メディテーションのとき。
ゴスペルを聞きながら。
ふらりと入ったカソリック教会の礼拝で。
セントラルパークの芝生に寝転がりながら。

生まれてから
こんなに短期間の間に何度も感謝の涙を
流すなんて初めてではなかったか?と思う。
そして感謝できることが嬉しかった。

それだけでもよかったんだ、と思う。

いろいろな人と出会えたこともいい刺激になった。


帰ってきて、
もちろん疲れも時差ボケもあったが
その日から仕事(泣)
フリーはつらいっす。
一日も休める時がなく、
時差ボケによる眠気と疲労感が強くなり、
昨日の晩、また抑うつ的になっているのを感じた。

疲れと抑うつ感は大いに関係があるものだから
当然なのだけれど、
やはり
記銘力低下とともに
まだまだおつきあいしなくちゃいけないんだな、
と思う。

今日の診察で主治医に話すと
ケミカルな薬品は習慣性がつくとこわいので
では漢方にしましょう、と
加味逍遥散を処方してもらう。
私の場合は副作用の出方が「典型的」とのこと。

でも、もともとのキャラクター(笑)や
仕事柄もあって、
カミングアウトしていない人には
この1年、私がどんな状況であったか、気づかれてもいないし
がんのことを話した人たちにも
もう何も曇りのないように見えているだろう。

友人に帰国のmailを出したら、
返信にこんなことを書いてくれた。
引用しちゃいます。
『帯津良一氏が、医療は
「生きる悲しみ」を分かち合うことが大切なんだと
いうようなことを言ってた。
前向きなひとは予後がいいと思っていたけど、
人間は本来前向きにはできてないんだと。』

前向き、という言葉は
一般的にはポジティブという評価を受けていると思うが、
大方は自分の中にある悲しみの感情を否認したり、
隠している場合も多い。

本当に、人と人が
悲しみも歓びももっともっと分かち合えることができたら
どんなにいいだろう、と思う。
悲しくなったり、辛くなったりすることも
人間としての当然の感情の一つだから。

ゾラデックス投与、本日7回目。
主治医は「24回のうちの7回が終わったね」と
数にして口にしてくれる。
さりげない心遣いに感謝。

つらいときもあるけれど、
がん治療で揺れや不安を抱えている人のために
自分の体験を活かしながら
自分の仕事で何ができるか、
というプチ野望を抱きつつ
この日々を歩いて行こう。

やっぱり自分の選んだ仕事が好きなんだ、とあらためて思う。

☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
乳がんのこと、治療のことをもっと多くの方に知ってほしい!ので
ぽちっと押してね♪



にほんブログ村 病気ブログ がん・腫瘍へ
[PR]
by holyqueen | 2008-05-22 21:53 | 術後の心身の変化

がん告知から1年

今日で、乳がんを告知されてから
ちょうど1年経った。

心構えはしていたつもりだったが、
その後の状態は
長きにわたって
「自分」という存在が揺さぶられるものだった。

すぐにどうこうということはない、と
Dr.に言われても、
かなりナーヴァスになることも多かったし、
乳がんについての知識や情報を見ても、
頭がぼーっとして
集中力が低下し、字面は追っているものの
意味が入ってこないことが多かった。

そして手術を終えても
「終わった」感じはせず、
ホルモン療法の副作用での抑うつ感、
再発や転移への不安など
これからもどこかで抱えて生きていくのかな、
と感じた。

けれど、抑うつ感のないときには
ミクシイなどでいろいろな方の体験を読み、
本当にさまざまなケースがあること、
そして再発、転移をしても
それにしっかり取り組んでいる方も多いこと、
などに励まされることも多かった。

そしていま、
私はニューヨークにいる。

1年前には予測もできなかったことだ。
3ヶ月前にはひどい抑うつ感に苦しんでいたので
今の自分がここにいるのは
なんだかとても不思議な気がしている。

空港からタクシーに乗って
外の風景を眺めたときに
思わず顔がほころんだ。

街を歩いていても、
身体の中に風が通っていくような感じがする。

そして昨日、
タイムズスクエアの喧噪の中から
少し外れた通りを歩いていたとき、
ちょうど礼拝をしている教会があり、
何も考えず中に向かった。

とても大きな教会で
中に入ると全く空気が違う、
静謐な空間。

クリスチャンではないけれど、
祭壇の前まで行って
お祈りをしたときに
涙と感謝の気持ちが同時に出てきた。

この1年、
おそらく今までのどんな時期よりも
しっかり自分に向き合い、
苦しんできたけれど、
今回は神様がくれた休暇であり、
恩寵であるんだ、と
タマシイの中から自然に出てきたように感じた。

まだ終わってはいないけれど
長い旅だったな、と思う。
その間に、
なじみのあったことが必要なく感じられてきたり
モノゴトのやり方が微妙に変化してきたり、
感覚がさらに開かれてきたり
少しずつ少しずつ、何かが変わってきた。
一番大きな変化は
何かに自分をゆだねることができるようになってきたこと。
あまりいろいろなことに執着しなくなり、
考えることより、感じること、からっぽになること、
そして「受け取る」ことがとても重要になってきており、
シンクロニシティもひんぱんに起きるようになった。

旅の途中に
仕事を離れ、
この大きな都市の人種ののるつぼの中で
休息をとったり、新しいもの、古いものに触れ
改めて自分の「現在」を感じている。

生きていくことは死に近づいていくことでもある。

だからこそ
今生きているこの世界を
どんなふうにとらえ、
どのくらい大切にできるのか。

多くの人の手を借り、
そして「見えないもの」に
どれだけ支えられていることだろう。

「大いなる何かが存在している」
そしてそれに
「サポートされている」
ということを
さらにリアルに感じるようになった。
次元があきらかに変わってきている感じ。

そして、
手術前の不安を感じている方や、
告知されてショックを受けている方、
大切な何かを失った方に
今は辛くても
必ず時が流れ、
少しずつ苦しみが解消されていくことを
伝えたい。

久しぶりに会った友人が私のことを
「遠く感じた」と言った。

そうかもしれない。

何かが死んで、何かが生まれてきている。
まだまだこれからも変化するだろう。

そして、この「記念日」に感謝。

☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
乳がんのこと、治療のことをもっと多くの方に知ってほしい!ので
ぽちっと押してね♪



にほんブログ村 病気ブログ がん・腫瘍へ
[PR]
by holyqueen | 2008-04-26 23:21 | 術後の心身の変化

ふと気がつくと

もうすぐがん告知から1年。
長かったような、やっとここまできたかというような、
まだまだこれからも気が許せんぞ、というか…

ふと気がつくと
変わってきた点がいくつかある。

・食事のペースがゆっくりになった

 以前は非常な早メシで、5分もあれば終わった…
野菜中心、雑穀米に変えたせいも大きいと思うが、
気持ちの焦りが少なくなったのが一番大きい、と感じる。
食欲も、あれもこれも食べたい!という気持ちの低下。
仕事が減った分、外食も減った。
今までが欲張りすぎましたけれど(笑)

ここ10年ほど、いつも仕事に追われている感じがして
フリーな職業の身ゆえ、家と仕事の区別がつけにくく、
休日、仕事がない日でもうまく切り替えることができず、
ただ家でだらだらすることしか
できないこともあった。


・グルーミングに時間をかけるようになった

仕事柄、汗をかくことが多く、
ずっとショートにしていたのはそのためでもあるけれど、
集団を率いることが多いので
自分の世話は後回し、というか最小限。
なので整髪2分、化粧は10分くらいな慌ただしさ。
芝居、ダンスと集団生活が長かったせいもあるけれど
(体育会系?)
このごろは自分のために
時間を取れる気持ちの余裕も出てきた。


・おしゃれも復活!

昨年、実家の取り壊しで
毎週片付けゴミ捨て作業に通っていた時期や、
冬、うつに入る頃は黒しか着たくなかったが、
春になった今は特に、
明るいきれいな色が着たいと思うようになった。
だって女の子だもん(爆)


・人との時間の過ごし方が少しずつ変化している

パーティーや飲み会は
できるだけ出るようにしていたし、
人と話すことも苦ではなく、
むしろ自分からサーヴィスするくらいの勢いで
(ツッコミタイプ…)いることが多かったが
(いや、今もまだその習性が残ってはいるけれど)
今は一人で過ごす時間と
大切なことを大切に語れる人たちとの時間が、
ささやかにいとおしい。

もともとの傾向ではあるが、
世の中の流れに巻き込まれたくない今は
辺縁から見ている感じがあり、
その方が見えることが沢山あることにも気づく。


・流れにまかせられるようになった

何があってもそれが自分の学びのためにある、
と少しずつ無理なく受け止められるようになった。
全部ではありませんが、少しずつ。
タオ、シンクロニシティということが
今の自分にとってはあたりまえのように感じられる。

・疲れを受け止めるようになった

アタリマエのことが
アタリマエにできていなかった…
仕事で、人にはそう言っていても
自分のための女性性を「犠牲」にして成り立っていた。
疲れを人に見せたくないという意識も働いていたが…

術後は本当に疲れるから
おかげさまでやっとできているのであります。

好きなことを仕事にしたはずなのに、
いつの間にか「責任感」で
いっぱいになっていた自分に気づく。

先日、裏主治医には
「以前は先生っぽいエネルギーでしたけど
プロフェッショナルのエネルギーに変化しつつあるようですね」、
と言われた。
「責任感」でいっぱいのときは、
確かに先生だったかもしれない。

ただし「プロフェッショナル」には変人が多いらしいけれど(笑)

でももともと自分は舞台をやっていたので
そこに戻る感じに近いのかな、とも思う。


☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
乳がんのこと、治療のことをもっと多くの方に知ってほしい!ので
ぽちっと押してね♪



にほんブログ村 病気ブログ がん・腫瘍へ
[PR]
by holyqueen | 2008-04-02 23:13 | 術後の心身の変化