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乳がん治療と乳房再建、そしてこの病気からどんなギフトを得るのか?自分の体験を通して、病気とは人にとって何なのかを観察記録していきます。


by holyqueen
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退院まで〜その1

10/27(日)

3組の突然の見舞客のうち、
嵐のような天候の日に、
思いがけずバンドの友人たちもお見舞いにきてくれた。
「猫鍋」をお見舞いにいただき癒された…♪

痛みで夜中は何度も覚醒していたけれど、
昼間は座ったり、動いたりしている分には
あまり気にならず、
色鉛筆を持っていっていたので
主に絵を描いていた。

外のささやきかけるポプラの木や、
いただいた果物や、
セラピー以外でこんなふうに絵を描いたのは何年ぶりか、
というくらい。
自分の絵も、何枚か描いた。

10/28(日)

朝はすっきりと晴れ渡り、
いつものように朝のコーヒーをいれながら
外を眺める。

昼を過ぎてから、
ふいにそのあまりの眩しさに
悲しみを憶えた。

私の右胸は
えぐりとられた「供物」でもあり、
「再生」のために破壊されたことへ
哀切の情を感じた。
そして私の身体のどこかに
内在しているであろう
「死の種」のことを想った。

あまりにも青く、
強い陽射しの差し込む午後の
しんとした病室の中で、
術後、なぜか
初めての悲しみが出てくる。

夕方、友人の来訪の後
姪が来る。

私は憶えていなかったけれど、
がんになったと彼女に電話で話したときに
彼女はふいに「紫の卵」が入っている、と感じたと言った。

そのときには何のことかわからなかったけれど、
自分を描いた絵を見せたときに
「あっ!こんな感じ」と言う。
その絵は、
痛々しく紫色に晴れ上がった
右の乳房に横一文字に
赤い傷口があるもので。

破壊の、最終段階なので
(それは再生の兆しでもあるが)
苦しみや痛みの方が強いけれど、
確実に再生につながっているのだと思った。

「卵」は新しい命の象徴でもあるから…

殴られ、踏みしだかれたように
痛々しく紫に腫れている私の乳房は
横一文字に割れ目の入った「紫の卵」そのもののように感じた。

☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
乳がんのこと、治療のことをもっと多くの方に知ってほしい!ので
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by holyqueen | 2008-02-19 22:41 | 全摘&1次再建