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乳がん治療と乳房再建、そしてこの病気からどんなギフトを得るのか?自分の体験を通して、病気とは人にとって何なのかを観察記録していきます。


by holyqueen
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がん告知から1年

今日で、乳がんを告知されてから
ちょうど1年経った。

心構えはしていたつもりだったが、
その後の状態は
長きにわたって
「自分」という存在が揺さぶられるものだった。

すぐにどうこうということはない、と
Dr.に言われても、
かなりナーヴァスになることも多かったし、
乳がんについての知識や情報を見ても、
頭がぼーっとして
集中力が低下し、字面は追っているものの
意味が入ってこないことが多かった。

そして手術を終えても
「終わった」感じはせず、
ホルモン療法の副作用での抑うつ感、
再発や転移への不安など
これからもどこかで抱えて生きていくのかな、
と感じた。

けれど、抑うつ感のないときには
ミクシイなどでいろいろな方の体験を読み、
本当にさまざまなケースがあること、
そして再発、転移をしても
それにしっかり取り組んでいる方も多いこと、
などに励まされることも多かった。

そしていま、
私はニューヨークにいる。

1年前には予測もできなかったことだ。
3ヶ月前にはひどい抑うつ感に苦しんでいたので
今の自分がここにいるのは
なんだかとても不思議な気がしている。

空港からタクシーに乗って
外の風景を眺めたときに
思わず顔がほころんだ。

街を歩いていても、
身体の中に風が通っていくような感じがする。

そして昨日、
タイムズスクエアの喧噪の中から
少し外れた通りを歩いていたとき、
ちょうど礼拝をしている教会があり、
何も考えず中に向かった。

とても大きな教会で
中に入ると全く空気が違う、
静謐な空間。

クリスチャンではないけれど、
祭壇の前まで行って
お祈りをしたときに
涙と感謝の気持ちが同時に出てきた。

この1年、
おそらく今までのどんな時期よりも
しっかり自分に向き合い、
苦しんできたけれど、
今回は神様がくれた休暇であり、
恩寵であるんだ、と
タマシイの中から自然に出てきたように感じた。

まだ終わってはいないけれど
長い旅だったな、と思う。
その間に、
なじみのあったことが必要なく感じられてきたり
モノゴトのやり方が微妙に変化してきたり、
感覚がさらに開かれてきたり
少しずつ少しずつ、何かが変わってきた。
一番大きな変化は
何かに自分をゆだねることができるようになってきたこと。
あまりいろいろなことに執着しなくなり、
考えることより、感じること、からっぽになること、
そして「受け取る」ことがとても重要になってきており、
シンクロニシティもひんぱんに起きるようになった。

旅の途中に
仕事を離れ、
この大きな都市の人種ののるつぼの中で
休息をとったり、新しいもの、古いものに触れ
改めて自分の「現在」を感じている。

生きていくことは死に近づいていくことでもある。

だからこそ
今生きているこの世界を
どんなふうにとらえ、
どのくらい大切にできるのか。

多くの人の手を借り、
そして「見えないもの」に
どれだけ支えられていることだろう。

「大いなる何かが存在している」
そしてそれに
「サポートされている」
ということを
さらにリアルに感じるようになった。
次元があきらかに変わってきている感じ。

そして、
手術前の不安を感じている方や、
告知されてショックを受けている方、
大切な何かを失った方に
今は辛くても
必ず時が流れ、
少しずつ苦しみが解消されていくことを
伝えたい。

久しぶりに会った友人が私のことを
「遠く感じた」と言った。

そうかもしれない。

何かが死んで、何かが生まれてきている。
まだまだこれからも変化するだろう。

そして、この「記念日」に感謝。

☆☆☆☆☆☆☆

いつも読んでいただいてありがとうございます。
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by holyqueen | 2008-04-26 23:21 | 術後の心身の変化